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子どもが粉薬を飲んでくれない!イライラしないための工夫とコツ

子どもが粉薬をなかなか飲んでくれない……

そんな悩みを抱えるご家庭は少なくありません。この記事では、粉薬を嫌がる理由やスムーズに飲んでもらうための工夫などについて、分かりやすく解説します。

大切な薬だからこそ、親子で無理なく乗り越えるヒントをぜひみつけてみてください。

子どもが粉薬を飲んでくれないときにイライラしない心構え

子どもが粉薬を嫌がると、親はついイライラしてしまうことも。しかし、子どもにもきっと何か理由があります。粉薬を飲まないときに考えられる理由と、親の気持ちが少し楽になる心構えを紹介します。

子どもが粉薬を飲んでくれない理由

子どもが粉薬を飲んでくれないとき、どんな理由が考えられるのかみてみましょう。

・薬の味が苦手
粉薬は日頃の食べ物やお菓子とは違う、独特の苦味や匂いがあります。また始めは甘くても、後味が苦いと飲みたくないと思ってしまうことも。

・薬の食感が苦手
粉っぽさや口に残る感じが気になる子どももいます。ペースト状にしたり、飲み物に溶かしたりしても、食感が苦手と感じる場合もあります。

・体調がつらくて飲めない
発熱やのどの痛み、吐き気などの症状があり、体調がつらくて飲めないことも。薬が嫌なのではなく、薬が飲めないくらいしんどいというサインかもしれません。

・親とのコミュニケーションが原因
子どもが薬を飲まないとき、つい焦って「早く飲んで」「なんで飲めないの?」と急かしてしまうこともあるでしょう。しかし、子どもはそんな親の様子をみて不安を感じたり、緊張したりすることがあります。薬を飲ませたいという親の気持ちが、子どもにとってプレッシャーになることもあるのです。言葉の発達には大きく分けて「言葉を理解する力」と「言葉を表出する力」があります。

イライラしないポイントと親の気持ちが少し楽になる考え方

子どもにとって粉薬は、大人が思う以上に飲みにくく、ストレスを感じるものです。薬を飲みたくない理由を、子ども自身もうまく言葉にできず、戸惑っているのかもしれません。

そんなとき、親ができるのは、子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えることです。抱っこしたり、頭を撫でてあげたり、子どもが落ち着く行動を取ってみましょう。そして、少し飲めたときにはたくさん褒めてあげ、子どもが次への意欲を持てるように接することが大切です。

薬を飲ませることを「義務」や「ノルマ」と考えると、どうしても焦りやプレッシャーが生まれてしまいます。そうではなく、「親子で一緒に病気を乗り越えよう」という前向きな気持ちに切り替えてみましょう。

粉薬をスムーズに飲んでもらうための方法・ポイントとは?

実際に粉薬を飲ませるときの方法についてみてみましょう。

少量の水でペースト状にして口に入れる方法

1.小皿を用意し、粉薬を入れる
清潔な小皿やスプーンなどの器に、必要量の粉薬を入れます。

2.水を数滴ずつ加える
一度に多くの水を入れず、少しずつ加えるのがポイントです。

3.ペースト状になるまでよく練る
粉薬がなめらかになるまで、スプーンなどでしっかり混ぜます。

4.練った薬をきれいに洗った指に取る
あらかじめ手をよく洗い、清潔な状態で指に薬を取ります。

5.子どもの口の中に塗る
舌の上は苦味を感じやすいため避け、ほっぺの内側や上あごなど、味を感じにくい部分に塗るとよいでしょう。

6.薬が残らないように飲み物を飲ませる
口の中に薬が残らないよう、お茶や水などを少し飲ませてあげます。

粉薬を少量の水で溶いて、スポイトを使う方法

1.粉薬をコップに入れる
必要量の粉薬を、清潔な小さなコップに用意します。

2.水または湯ざましを少量加える
5ml程度から始めて、最大20mlくらいまでの範囲で少しずつ加えます。入れすぎると量が多くなり飲みにくくなるため注意しましょう。

3.粉薬がしっかり溶けるように混ぜる
ダマにならないよう、スプーンなどでよく混ぜて完全に溶かします。

4.溶かした薬をスポイトやスプーンですくう
子どもの年齢や飲みやすさに応じて、スポイトやスプーンを使いましょう。

5.子どもの口の中に入れて飲ませる
優しく声をかけながら、少しずつ口に入れてあげます。

6.水やお茶などで飲み残しを流す
薬が口の中に残らないように、最後に少量の水分を飲ませてあげましょう。

言葉の遅れに対して、生活のなかで親ができる関わり方や自治体、療育機関ではどのような支援が受けられるか見てみましょう。

粉薬はアイスと混ぜてもいい?粉薬を食べ物・飲み物と混ぜるときのコツと注意点

粉薬の味や食感が苦手な場合、アイスやジュースに混ぜる方法が効果的です。具体的な方法や注意点を見てみましょう。

粉薬と食べ物、飲み物を混ぜるタイミングと適量の目安

粉薬を飲む直前に、食べ物や飲み物に混ぜましょう。混ぜたまま長時間置いておくと、粉薬のコーティングがはがれて苦味が強くなったり、成分が変化してしまったりすることがあります。

粉薬と混ぜるときの食べ物や飲み物の量は、スプーン1~2杯分程度です。量が多すぎると薬をすべて飲めなくなります。混ぜる量はできるだけ少なくしましょう。

粉薬を混ぜるときに注意したい食べ物と飲み物

粉薬をアイスやジュースに混ぜるときは、飲み物との相性に注意が必要です。たとえば、オレンジジュースやスポーツドリンクなど酸性の飲み物は、薬のコーティングをはがしたり、薬の成分に影響を与えたりすることがあります。
また1歳未満の乳児には、はちみつで混ぜないようにしましょう。乳児ボツリヌス症を発症する危険性があります。

具体的な薬剤名と食べ物、飲み物の相性については、以下の表をご確認ください。似たような効果を持つ薬でも、種類によって相性が異なる場合があります。飲み合わせに不安がある場合は、薬剤師に相談してみましょう。

薬の種類 薬剤名 相性の良い飲料 相性の良い食品
抗生剤 クラリスロマイシンドライシロップ 水、ココア チョコアイス
ジスロマック細粒小児用 牛乳、粉ミルク チョコアイス、プリン
トスフロキサシン細粒小児用 水、粉ミルク チョコアイス、いちごジャム、味噌汁、ヨーグルト
ワイドシリン細粒 ココア、牛乳、乳酸菌飲料 チョコアイス、いちごジャム、ヨーグルト
トミロン細粒 水、乳酸菌飲料 チョコアイス、いちごジャム、味噌汁、ヨーグルト
去痰剤 カルボシステインドライシロップ チョコアイス、いちごジャム、ヨーグルト
アスベリンドライシロップ 乳酸菌飲料 プリン
抗アレルギー薬 オノンドライシロップ お茶、牛乳、乳酸菌飲料 ココア、プリン、アイス、ヨーグルト
シングレア細粒 牛乳 ヨーグルト
解熱鎮痛薬 カロナール 水、牛乳 チョコアイス、いちごジャム

 

市販の服用補助ゼリーを使用することも可能

飲み合わせが心配なときは、服薬補助ゼリーもおすすめです。服薬補助ゼリーは、混ぜても薬に影響を与えない成分を使用しており、粉薬と簡単に混ぜられる粒状タイプです。つるんと飲み込みやすく、飲み込む力が未発達な子どもでも誤えんしにくいよう工夫されています。
服薬補助ゼリーの味は、子どもが好むフルーツやチョコレートなど種類が豊富です。特にチョコレート味は苦味をやわらげてくれるので、抗生剤など苦味を感じやすい薬にも向いています。粉薬をなかなか飲めないとき、ひとつのサポートアイテムとして取り入れてみるのもおすすめです。

粉薬をどうしても飲んでくれないときの選択肢

いろいろ工夫してもどうしても粉薬を飲んでくれない場合は、医師や薬剤師に相談することがとても大切です。専門家から、処方された粉薬に合わせた飲み方のアドバイスをもらうことができます。また、粉薬からシロップなど他の薬のタイプに変更できる場合もあるので、気軽に相談してみましょう。

子どもに合った方法を見つけて、治療に取り組もう

子どもが粉薬を飲んでくれないとき、親は子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。粉薬をアイスやジュースに混ぜるなど、飲みやすくする方法を取り入れることで、スムーズに薬が飲める場合もあります。
もし、いろんな方法を試してもうまくいかないときは、医師や薬剤師に相談してアドバイスをもらいましょう。子どもが安心して治療に取り組めるように、親は接し方や薬の飲ませ方などを工夫していきましょう。

著者:菅原りほ

薬剤師
製薬企業でMRを経験した後、調剤薬局にて内科・小児科・整形外科・皮膚科など幅広い診療科の処方に対応。プライベートでは2児の母。趣味は料理、キャンプ。

参考:

独立行政法人 環境再生保全機構 特集:上手なサポートで薬嫌いを克服しよう 子どもが薬を嫌がる原因はなに? 苦い味? 病気のせい? それとも…

独立行政法人 環境再生保全機構 特集:上手なサポートで薬嫌いを克服しよう 病気が原因の場合

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