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子どもの骨折|親が知っておくべき見分け方と対処法

子どもは、遊んでいる最中に転んだり、ぶつかったりすることがよくあります。多くの場合、軽い打撲やすり傷で済みますが、ときには骨折してしまうことも。
もし子どもに骨折が疑われた場合、どのように見分け、対処をすれば良いのか迷うこともあるでしょう。
この記事では、子どもの骨折の見分ける方法、適切な対処法、病院の受診方法について解説します。緊急時に役立つ、親が知っておくべき情報をまとめました。

子どもの骨折とその他のケガの見分け方

大人と異なり、子どもは痛みを言葉でうまく表現できないため、骨折とその他のケガの見分け方は困難になることがあります。とくに乳幼児の場合、腫れが目立たない、違う場所を痛がるなど、症状がわかりにくいため、骨折のサインがないか観察することが重要です。

骨折の主なサインは以下のものがあります。

骨折は打撲や捻挫に比べて痛みがひどいのが通常です。しかし、子どもの骨は若い木の枝ように弾力があるため、ポキッと折れないことも。亀裂が入ったり、曲がったりする「不全骨折」が多く、痛みが比較的少ないこともあります。

捻挫か骨折かを確定させるには、専門の医師でも検査をしないと見極めるのは困難です。
また、子どもの成長に関わる部分(骨の先端にある骨が伸びる場所)が骨折すると、正しい位置で治療しない場合、変形や運動機能の障害が生じることがあります。そのため、少しでも疑わしいときは、必ず医療機関を受診しましょう。

子どもの骨折の応急処置

子どもが骨折かもしれないと思ったら、適切な応急処置をして、痛みを和らげてあげましょう。基本的な手順を紹介します。

1. 安静に保つ

子どもを落ち着かせ、患部を動かさないように注意することが重要です。可能な限り患部を安静に保ちましょう。

2. 患部を冷やす

腫れや痛みを抑えるため、患部に冷却パックや氷袋を当てて冷やしましょう。ただし、冷却パックや氷袋は、直接肌に触れないように、タオルや布で包んでから使用してください。冷却は、約20分冷やしたら40分休むことを1サイクルとして、繰り返すのが基本です。

3. 患部を固定する

骨折は患部が固定されると痛みが和らぐため、可能であれば患部の固定を行いましょう。 用意するものは、患部に添える傘や杖などの棒状のものや板状のものと、包帯などの巻き付けるものが必要です。添えるものは、棒や板がなくても、折り曲げて厚くした段ボールや新聞紙などで代用できます。また、固定には包帯がなくてもタオルやラップなどでも構いません。

4. 高く上げる

腫れを抑えるため、患部を心臓よりも高い位置に保つと効果的です。足の場合は、座るか横になった状態で、クッションなどを使い足を高く保つと良いでしょう。ただし、患部に無理がかからないように注意してください。

応急処置は症状の悪化を防ぎ、痛みを和らげ、できるだけ快適に保つためのものです。治療ではないため、必ず医師に診てもらうようにしましょう。
また、患部に明らかな変形が見られる、痛みが強く顔色が悪い、冷や汗をかいているなどの症状がある場合は、救急車を呼ぶことを検討してください。

 

子どもの骨折は何科?受診するまでの流れを解説

子どもの骨折が疑われる際に、どの科を受診すべきか迷うこともあるかと思います。とくに夜間の場合、対応に困ることもあるでしょう。ここでは、日中と夜間の病院選びについて解説します。

日中の受診:整形外科の利用

視力は8歳ごろまでに発達するといわれています。そのため8歳ごろまでに眼鏡を使用し、正しく見えている状態にすることが大切です。8歳をすぎてから治療を始めても、十分な視力の発達が望めません。早めに遠視の治療を始めることが大切です。

日中の診療時間内であれば、整形外科が最初の選択肢となります。以下のポイントを押さえると、受診がスムーズになります。

1.近くの整形外科を探す

骨折が確認された場合は、完治するまで長期間の通院が必要です。とくに足のギプス固定の場合は、動きが制限されているため、通院が困難になります。近隣のアクセスのしやすい整形外科を選ぶと良いでしょう。

2.診療内容を確認する

子どもの受診に対応していない医療機関もあります。子どもの骨折に対応しているかどうか、事前に病院に電話して確認すると良いでしょう。

3.保険証などを準備する

診察時に必要となる健康保険証と子どもの医療費助成が受けられる証明書、お薬手帳などを忘れずに持参します。

4.症状の詳細をまとめておく

診察では、子どもの症状、ケガの経緯、現在の状態について詳しく聞かれるため、説明できるようにメモにまとめておくと良いでしょう。

夜間の受診:夜間救急相談窓口の利用

夜間や休日は、医療機関の受付状況が通常と異なります。お住まいの地域により異なりますが、多くの場合、夜間や休日は閉院しているため、以下の手順で受診の手続きを進めましょう。

1.夜間救急相談窓口に連絡する

夜間や休日の救急医療に対応する窓口に電話しましょう。全国どこからでも「#8000」でお住まいの地域の相談窓口に繋がります。診療を受け付けている最寄りの病院や診療所の案内、応急処置、救急車の必要性などのアドバイスをくれます。

2.指示に従って行動する

受診先を指定された場合でも、急患対応や混雑などで、すぐに受診できないことや、場合によっては他院を紹介されることもあります。診察が可能か、受診前に電話で確認しておくと安心です。

3.夜間でも日中と変わらず保険証などを持参する

夜間や休日に受診する場合でも、健康保険証と子どもの医療費助成が受けられる証明書、お薬手帳を忘れずに持参してください。

4.症状の詳細を共有しておく

夜間の場合は、受傷時にいたママに代わり、パパが付き添うこともあるかと思います。医師に、子どもの症状、ケガの経緯、現在の状態について詳しく説明できるように、情報を共有しておくと良いでしょう。

子どもの骨折に対する冷静な対応のために

子どもの骨折は予期せぬ出来事ですが、適切な対応方法をあらかじめ知っておくことで、緊急時の焦りを抑えられます。冷静に対応できるよう、骨折のサインの見分け方、効果的な応急処置の手順、状況に応じた医療機関の選び方を把握しておくと良いでしょう。

著者:佐藤おさむ

20年にわたる診療放射線技師としての経験と専門知識を背景に、医療ライターとして活動をしています。現在も診療放射線技師としての仕事を持ちつつ、現役医療従事者の視点から信頼性の高い情報の提供が可能です。
医療機器メーカーのインタビュー記事や、病院・クリニックのウェブサイト記事の制作を手がけています。

参考:

日本整形外科学会「小児の骨折」

日本医師会 白クマ先生の子ども診療所 骨折

日本臨床整形外科学会 スポーツでケガをしたら?

市川市「小児救急ガイドブック」

日本医師会「ドアや窓などに指をはさんでしまった」

日本整形外科学会「小児の骨折」

東京都保険医療局 24時間医療機関案内

厚生労働省 子ども医療電話相談事業(♯8000)について

東京都立小児総合医療センター 救急外来を受診するお子様と保護者の方へ