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子どものスマホ依存を防ぐために、ママ・パパが今すぐできること

子どもにスマホを持たせたら、何時間もスマホに夢中になる姿を見て「スマホ依存」になるのでは?と心配になっていませんか。この記事では子どものスマホ依存が心配なパパ・ママに、スマホ依存の基本知識と対策方法について解説します。

スマホ依存とは

スマホ依存とはどういう状態のことか、スマホ依存の割合、小学生のスマホ使用状況について解説します。

スマホ依存とはどのような状態か

スマホ依存とは、スマホなしではいられない状態となり、日常生活に支障をきたすことをいいます。具体的には、昼夜逆転し遅刻する、成績が著しく低下する、対人コミュニケーションでの問題が起きているにも関わらず、スマホの使用がやめられない。またスマホの使用をやめるとイライラしてしまうなど精神的に不安定になってしまうこともあります。

小学生のスマホ使用状況とネット依存との関係

現在、小学生の約9割がインターネットを利用しており、使用している機器はスマホが最多です。また、小学生の7.5%にネット依存の傾向があるということが調査で明らかになっています。

ネット依存は、使用時間が長い場合やスマホのような持ち運びが可能な機器、ネットの使用の際にルールがない場合に多い傾向が見られています。

 

スマホ依存が子どもに与える影響と症状

長時間スマホを使用することで、子どもの心身にさまざまな影響を引き起こします。代表的なものを見てみましょう。

 

健康面への影響

・目への悪影響:画面に集中することで、眼精疲労やドライアイ、視力低下などの影響が出ます。

・姿勢の悪化:スマホを使用する際に前かがみの姿勢をとることが多く、背中や首、肩に負担がかかり、姿勢のゆがみにつながることがあります。

・睡眠障害:スマホ依存では、睡眠障害は必ず出るといわれています。SNSやゲームに夢中になるあまり、スマホの使用が深夜にまで及び睡眠不足や寝つきの悪さにつながるのです。

精神面への影響

・引きこもり:対面でのコミュニケーションが減ることで人間関係が希薄となり、引きこもりにつながることがあります。

・情緒不安定:スマホ以外のことに対する意欲が低下したり、気分を調整できなくなったり、他人に攻撃的になったりします。

学業への影響

・学力の低下:小学生のインターネット平均利用時間は一日当たり3時間以上に及ぶといわれています。この時間をスマホに費やすことで学習時間が減少し、学力の低下につながる可能性があります。

・記憶力への影響:日本小児科医会によると、依存状態にある人の脳は、注意力や記憶力など認知機能に関わる部分に萎縮が見られるといわれています。スマホの長時間使用においても同様に、脳の発達が遅れるとされています。

 

スマホ依存を防ぐための対策方法

ママ・パパとして子どもにどのようにスマホを使用させるとよいのか、考えてみましょう。

 

スマホ依存による子どもの心身への影響を理解する

スマホ依存は、健康面、精神面、学業面に影響を及ぼすほかに、実体験から得られる社会性獲得の機会を欠如させることにもつながります。子どもにスマホを使わせているパパ・ママは、スマホ依存がさまざまな影響を及ぼす可能性があることを認識しましょう。

また、パパ・ママは子どもが使うスマホの管理責任は自分たちにあることをしっかりと理解しておくことが大切です。

スマホ以外の時間を作る

子どものスマホ依存を防ぐには、スマホ以外の時間を増やすことも有効です。まったくスマホを使わない時間を作り、スマホ以外にも楽しい時間があることがわかれば、スマホを使い続ける必要がなくなっていきます。

子どもにスマホを渡すときはルールを決める

子どもにスマホを渡すときは、管理者が親であることを伝え、家庭内でルールを決めることが推奨されています。

【ルールの例】

・「一日○○分」「宿題が終わってから」など利用時間を決める

・アプリを制限し、課金が必要なときは事前に相談する

・自室に持ち込まない

 

もし違反した場合は、毅然とした態度で対応することも必要です。

スマホ依存が心配なときの相談先

スマホの使い過ぎによって子どもの様子が心配になった場合は、早めに専門機関に相談することが大切です。

メンタルクリニックや小児科などの医療機関や、全国の精神保健センターなどの相談機関で専門家からアドバイスをもらいましょう。

スマホ依存は早期に発見し対処することが大切

スマホ依存は治すのが非常に難しい病気です。特に小学生は自己管理が難しく、心身の健康や学業に深刻な影響を与えます。

しかし、パパ・ママが早期に気づき、ルール作りやスマホ以外の活動を取り入れることで、予防や改善が可能です。

子どもと積極的に向き合い、親子でバランスの取れたスマホの使い方を見つけることが大切です。

著者:出口沙織

看護師・助産師・保健師
大学病院、中核病院で内科・放射線科・救急救命センター等で看護師として勤務。
一般企業で研修講師として活動するかたわら、医療ライターとしても活動中。

参考:

東邦大学医療センター スマホ依存について

総務省 令和3年度 ⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査 調査結果(概要)

金沢大学医薬保健研究域 津田 朗子 , 木村留美子 , 水野 真希小中学生のインターネット使用に関する実態調査―依存傾向と生活習慣について―

総務省 情報通信白書for kids とても怖(こわ)い「ネット依存(いぞん)」

文部科学省「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議(第4回)資料ICT(Information and CommunicationTechnology)と子どもの健康問題

日本小児連絡協議会「子どもと ICT ~子どもたちの健やか な 成 長 を 願 っ て ~ 」 委員会 子どもとICT(スマートフォン・タブレット端末など)の問題についての提言

こども家庭庁 令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)

日本小児科医会リーフレット スマホの時間 わたしは何を失うか

日本小児科医会 リーフレット 遊びは子どもの主食です

国民生活センター コロナ禍で広がるネット依存、ゲーム依存 相談対応として専門機関につなぐことの重要性

徳島県医師会 ネット依存

東京都生涯情報 ネット・ゲームが子供たちの心と体にもたらす影響